言語愛好家

8割が言語、2割が旅についての記録

ヤンゴン1日目 シュエダゴン・パゴダへ 2/22

エアアジアの機内。
クアラルンプールからヤンゴンへと飛行機に乗り込む。日本人は2,3人しか見なかった。同い年くらいの男子大学生2人組を見た。バックパッカー旅行という雰囲気。

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これから帰国するのであろう金持ちっぽい子連れミャンマー人の近くの席だった。フライトの間うとうとしていたら急に自分のそばに気配を感じた。ミャンマー人の兄ちゃんが席を移動して僕の隣の空席に座ってきやがったのだ。図示するとこんな感じ。

窓 おじさん|空席|僕| 通路

どうやら窓際に座ってるおじさんと知り合いらしい。ベルト着用サインが消えるとここぞとばかりに席を移動したり三人分の席に寝っ転がる人もいたりお子ちゃまが通路を走り回ったりとなかなかカオスなフライト。客室乗務員もあまり強く注意しないので子供が放し飼い状態。なかなか良い服を着てるようだったので(日本の子供が卒園式で着るようなスーツに蝶ネクタイ)金持ちの子供であろう。

2時間ほどでヤンゴン国際空港に着陸。日本人は今年の秋までノービザ入国可能なのですんなりとイミグレを通過。

入国できた安堵もつかの間、持っていた海外プリペイドカード(Ne◯ m◯neyの銀聯カード)でATMからミャンマーチャットを引き出せないトラブル。何度やってもダメである...とりあえず家族に連絡を取ろうとooredooのSIMカードを購入。ネットに繋いで調べてみるとどうやら持っていたカードではミャンマーチャットの取り扱いがないようだった...確認不足でとても情けない...仕方がなく親の口座に紐付いてるクレジットカードを使ってキャッシング。

金の問題が解決でき空港内に何があるのか見ようと散歩していると声をかけてくる現地人たちの群れ。
空港内の両替所の前には旅行者をぼったくろうと「タクシー?」と声をかけてくる輩がウヨウヨいるのでご注意を。そんな声に乗らなくても市内までの交通手段にはこれがある。

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最近市内までのシャトルバス路線ができたようで、僕のような貧乏旅行者にはありがたく、片道500チャット(約36円)で乗れる。

タクシーに乗ると市内まで10000チャット以上はかかってしまう。空港で待ち伏せしているタクシーなどぼったくりがほとんどだ。旅行者にとって良好な環境が整備されたと言っていいだろう。

空港の外に出てバス停に行くまでの数十メートル歩くだけで既に暑い。0℃前後のソウルから来たので温度差がすさまじい。日差しも肌を焦がすほど強い。2月のヤンゴンの気候をなめていた。

バスに乗ろうとしたら2台並んでいた。宿に近いヤンゴン中央駅に行く方はどっちだろうと行き先の表示を見ようとしたらバスの運転手がどこに行くんだい?と話しかけてきた。駅に行きたいんだと言うとこの後ろのバスだと指差して案内してくれた。

運賃箱に500と書いてありどうやら500チャット札しか受け付けてくれないようだ。ATMで下ろしたばかりなので少額紙幣を持っておらず1000チャットでいいかと聞くとわかった、とりあえず運賃箱に入れろとのこと。お釣りいつ来るんだろうと少し不安になったが次に乗ってきた現地のお姉さんに運転手が「さっき1000チャット払ったこいつに500チャット渡せ」的なことを言っていた。そのお姉さんから500チャットのお釣りを徴収して解決。発車時間になっても車内に5人ほどしか乗っていなかったが出発。

ヤンゴン中央駅が終点だったため間違うことなく降りた。湿気はないが暑くとても辛いがチャイナタウンの宿を取っているため2kmほど歩かなければならない。バックパックを背負いヤンゴンダウンタウンを歩く。市内中心部のスーレーパゴダ付近で映画の撮影をしており、大勢の人が歩道橋からその様子をガン見している中をすり抜ける。スリに遭わないか心配なくらい歩道橋が人でごった返していた。

(画像はヤンゴン中央駅近く)
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そして歩道橋を降りたときだった。Hello ! と後ろから声をかけられる。振り向くとインド系っぽい風貌の鼻毛が両方の穴から出ている兄ちゃんがいた。どこから来たんだい?ヤンゴン来てどれくらいなのか?ヤンゴンは初めてか?などと訊かれ僕はジャパンルーミョー(日本人だ)!ヤンゴン来たのは初めてだ!そしてさっき着いたばっかりだ!ハッハッハ!と答える。ビルマ語で答えたのでビルマ語話せるのか?とさらに訊かれ「ネネーピョーダッテー(少し話せるよ)」と答え固い握手を交わした。ここまではよかった。

宿はどこだい?案内してやるよと言われたが、もうすぐ近くまで来てるしいいよと返し去ろうとしたがついてくる。さらには日本のコインが珍しいから見せてくれ!写真を撮るだけだから!と言われて躊躇した。まぁ、10円玉しか今持ってないし騙されたふりして乗ってみるかと思い見せた。スマホのカメラでパシャりとするだけ。ヤツは本当に写真を撮るだけだった......と思いきや、財布に入ってるその日本の紙幣は何だ?ちょっと触らせてくれと言ってきた。でたでたでた!そうやって盗ってどこかで両替するつもりなのだろう。見せられない。バイバイ。と毅然とした態度で宿の階段を上った。後ろからヤツの声が追いかけてきたが体までは追いかけてこなかった。無視。


人生で初めてドミトリー形式(実際はカプセル式だったが)の宿を予約してみた。一人旅だったし日中は外出しているので宿代を浮かしてご飯や観光にお金を使いたかったので日本円で一泊600円しないTraveller's Houseというゲストハウスに泊まることにしたのだった。宿の入口の階段がまたボロく汚い。この時点で不安が募る。
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宿に入ると優しそうなアラサーくらいの女性が迎えてくれた。英語が堪能なようでペラペラと英語で話しかけてくる。今回の旅ではビルマ語を使うぞ!と意気込んでいた僕もこの人相手には英語対応になってしまった。カプセル形式のベッドルーム兼個人居室になっており、二段ベッド式。僕は上の段の方に案内されたので梯子を上り下りしなくてはいけなかった。シャワールームとトイレは共同。トイレは少し臭いがし、シャワールームは素足で入りたくないレベルで床が汚れていた。値段が値段なので仕方がないと割りきる。日中は観光しているから寝れてシャワーが浴びれればそれでいいのだ。
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チェックインの手続きをしている間に後から今日チェックインするであろう人が入ってきた。東アジア系の顔立ちでバッチリ化粧を決めている同い年ほどの女の子だった。背には60Lくらいのバックパックを背負い片手には2Lのミネラルウォーターのペットボトルを持っていた。息があがっている。そりゃ重い荷物を持ってあの急な階段を上るのはきつかっただろう。フロントの人と英語で会話してるのを聞いた限りでは日本人の発音ではなかったので話しかけはしなかったが後で電話しているときの言語は中国語だったので中国人だと判断。若い中国人の間でもバックパッカーが流行っているのかも。

お腹がとても空いていたので遅めの昼飯を食べるのと3泊過ごすためのシャンプーやシェービングクリーム、水、サンダルを買いに街に繰り出した。露店で商売してる女性だけでなく、エアコンの効いた涼しい店内で金のネックレスを売っている女性でもタナカ(現地のクリーム)を塗っていた。話には聞いていたが実物を見て感激。ただヤンゴンの街、ゴミ箱が数十メートルおきに置かれているせいで生ゴミの臭いが充満し露店の果物にはハエがたかり道もぶっ壊れており建物も汚れているものが多く汚い。

遅めの昼飯はミャンマー料理の食堂で炒めたライスを食べた。素朴な味。良くも悪くも珍しい味がするわけでなく食べやすい。
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2000チャット(約148円)でお腹いっぱいになれた。


暑くて疲れた僕は宿に一旦戻り水分補給をしながらネットと地球の歩き方で情報収集して涼しくなるまで待った。

日が落ち暗くなり始め涼しくなり始めた。暑いヤンゴンでは今からが活動タイムだろうと判断した僕はヤンゴンに着いて1日目ではあるがシュエダゴン・パゴダに行くことにした。ヤンゴンの代表的なパゴダ(仏塔)である。
散歩がてら3kmの道のりを歩いた。途中野犬がいて怖かったが怯まず堂々と歩いて難を逃れた。

ガイドブックを読み、夜のシュエダゴン・パゴダもだいぶ綺麗だと書いてあったが本当にその通りだった。外から見るだけでもかなりの迫力。
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外国人なのでエントリーフィー10000チャットを払い入場。靴を脱いで預け裸足になる。入口付近に冷水機やATMまである。これで信心深い参拝者は口座にある限り引き出して寄付することができるのだろう。
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仏塔のある本殿?までに続く道がとても神秘的。両側で土産物や供える花束が売られていた。外国人を見ると客引きの声も大きくなる。
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そして本殿に到着。黄金に輝く仏塔と円形に並んだ仏像、参拝者たちのお経を読む声に圧倒される。大乗仏教の施設はやはり派手で荘厳で美しい。写真を撮っている現地人や周辺国の観光客も多かった。
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普段美しい景色を見ても感動しない僕だがこれはかなり感激した...煌めく仏像の数々に心が洗われた。1日目にして旅の目的の半分は達成できた気分。
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出口付近で靴を預けたカウンターにチップとして1000チャットを払わされた。ミャンマーの観光地は現地の物価にしてはかなり入場料関係が高いなあ。

シュエダゴン・パゴダの近くで路線バスを待っていたが一向に来ない。近くにいたミャンマー人のおばさんが僕に話しかけた。ビルマ語の基礎は勉強していたものの内容は全く分からなかったが、バス停を指差していたのでたぶんバスは来ないわよということを言ってるのだろうと解釈。行きと同じく3kmのダウンタウンを歩いていたらインド人街にたまたまぶち当たった。美味しそうなインディアン定食屋があったので歩き疲れて空腹の僕は吸い込まれた。

店内にはインド系の客が多かった。チャパティとカレー、チキンのセットを注文。チキンはひとかじりして冷えてるのがわかり食べるのをやめた。作りおきの食品は危ない。いつ作ったのかもわからない。もったいないが残すことに。チャパティとカレーは美味しかった。日本で食べるインドカレーよりずっとマイルドな味。辛くもなかった。カレー、チャパティ、チキン、ミネラルウォーターのセットで5000チャット(約360円)だった。本当に安い。
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東南アジアではよく見られることだが、ミャンマーの食堂ではまだ小学生くらいであろう子達が食堂でウェイター(?)をやっているのをよく見る。この店もほとんどが10代くらいの男の子たちで切り盛りされていた。

食べていたときにカレーを自分のウインドブレーカーに垂らしてしまい拭こうとしたらそれを従業員の小さい男の子が見つけティッシュでごしごし拭き取ってくれた。とても優しい。結局シミは取れなかったが。ここまで親切にしてもらったことは日本でもなかった。バスが来ないこと(おそらく)を教えてくれたおばさんのことも思い出しミャンマー人は優しい人が多いと感じた。

(画像はゴミが散乱する夜のダウンタウンの道)
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宿に帰りシャワーを浴び汗だくになったTシャツを手洗いし二段ベッドの上にはしごで上り寝っ転がるといつの間にか眠りに落ちた。


(続く)