言語愛好家

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ヤンゴン 3日目 チャイティーヨー・パゴダへ 2/24

早起きしてチャイティーヨー・パゴダ日帰りを決行した。チャイティーヨー・パゴダには土台となる岩から落ちそうで落ちない金の岩があり、海外だけでなく国内の観光客(参拝客)も多い人気のパゴダである。日本でいう日光辺りか。

朝4時にむくっと起き支度をして宿を出てまだ暗い市街に出る。この時間だからタクシーが捕まるだろうかと不安だったが5分待てば乗ることができた。手を出してタクシーを停めると優しそうな運ちゃんの顔が窓から出てきた。早朝だし日中よりも多く金を取られるのではないかという不安もあったが、チャイティーヨー近辺の街キンプンまで行くバスが発車するAung Mingalar Highway Bus Stationまで(チャイナタウンのある宿から25kmほどの距離)特に交渉せず10000チャット(約737円)で乗ることができた。

まだかなり外は暗く走っている車の量が少なかったためタクシーはすいすい進んだ。タクシーの運転手が車の窓を全開にしていたので風が入ってきて涼しくてよかったのだが蚊が入ってきて半ズボンを履いていた僕は脚全体を刺された。掻いていたら運転手も「カイー! カイー!」と言いながら笑いながら腕を掻きむしり笑って窓を閉めた。ビルマ語でも痒いはカイーという発音なのかなと思ったが今調べてみるとビルマ語で痒いはyarr yanという発音のため日本人が痒い痒いと言っているのを耳コピして覚えたとしか考えられなかった。

交差点の信号が赤になりタクシーが停車する。何気なく窓の外から早朝の風景を見ていると道の端っこで二匹の犬がネズミを連携してハントしていた。野生の光景という感じだ。

45分ほど乗っているとバスステーションの門らしきところに到着。ぼったくりなのか本物のちゃんとした案内人なのか分からないが、タクシーに飛びついて何かを話しかけてきた。このバスステーションに停まった他のタクシーも窓を開けて話しかけられていた。正直このぐいぐい感、バスまで案内して
バス代以上のチップを要求してきたり、バスではなくて自分のタクシーに案内して高額なガイド料をぼったくってきたりしてきそうな雰囲気がとてもあり信用したくなかった。

僕が乗っていたタクシーの運転手もバスの乗り場がよくわからないらしく、そのぼったくりっぽい現地人に運転手が話をつけ案内してもらうことに。案内人の兄ちゃんは僕を連れていく途中「どこから来たんだ」と訊き日本からだと答えると「おー!ハラキリって本当にするの?」と訊いてくる。そんなわけないだろと答えるとそりゃそうか的なことを言われた。ハラキリフジヤマロッポンギは外国人からよく言われる単語だ。

ちゃんと案内してもらえるかかなり不安だったが杞憂に終わる。バスチケット売り場なんてものはなく、チケットを売る人が瓶ビールを入れるプラスチックケースの上で金を受け取りチケットを渡してくれた。キンプンまで8000チャット。(約588円) 120kmあるのにこの料金は破格である。ミャンマーは特に交通費が安すぎる。チケットには5:30発と書いてある。ただいま5:27。ギリギリ間に合ってよかった。おそらく始発。
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バスに乗り込むと海外からの観光客はおらず、全員地元の人で満席だった。満席のためバスの案内人に通路にイスを持ってきてもらいちょこんと座った。東南アジアにしては珍しくバスは定刻通りに出発。車内の壁には仏陀の画が貼りつけられており仏教音楽が流れていた。エキゾチックミャンマー。トイレ休憩が2回ほどあり、9時過ぎにキンプンに到着した。
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ここからチャイティーヨーに行くまでのトラックに乗らなければいけないのだが、バスから降りてすぐトイレに直行したために他の乗客を見失い、どこに行けばトラックに乗れるのかわからずに途方に暮れる。おそらくチャイティーヨーからこちら側に来たであろうトラックが走っているのを見たが乗り場が分からず側にいた警官に尋ね乗り場まで案内してもらった。トラックには人がすし詰め状態。
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出発するとアトラクションのごとくがたがた揺れる。快晴だったので風を受けてとても気持ちいい。途中停まる場所がありトラック代を徴収されたり子供がアイスやジュースを売りに来たりする。
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30分ほどで着いた。
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屋台や土産物を売る店が連なっており、観光地という感じである。途中で外国人は入場料6000チャット(約440円)を払って首から下げるカードをもらわないといけない。
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ゴールデンロックに続く白い参道を歩くときに皆履物を脱いでいた。郷に入っては郷に従えということで僕もサンダルを脱ぐ。真夏のプールサイドのごとく熱い。足の裏が焼けそうだ。
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そしてゴールデンロックにたどり着いた。と思いきや嫌な予感。

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工    事    中

後で調べてわかったことだがゴールデンロックは不定期で工事するらしい。なお観光客が減ることを恐れてか、工事中であるということを公表はしないそうだ。やられた。他のバックパッカーがブログで紹介してたあの落ちそうで落ちない岩の様子を見ることができず残念。

工事中ではあったものの岩自体には触りに行くことができた。(なお女人禁制)。カメラやスマホの類は持ち込めなかった。一人旅だったので貴重品を置いていくのもなあと思っていたら岩に入場する入口にいた警官が持っててくれた。とてもやさしい。中に入ると敬虔な仏教徒がお経を唱えていた。
岩に正方形のお札のようなものを貼るのが正しいお参りの仕方らしいが僕は眺めるだけにとどめた。出るとさっきの警官がちゃんと貴重品の入ったバッグを渡してくれた。

参道はいくつか枝分かれしており、飲食店が連なっている道、土産物屋が連なっている道などに分かれていた。朝からろくに食事を摂っておらず腹が減ってきたので飲食店街を歩くことに。店のそれぞれから客引きを受ける。一番現地の人が多かったビルマ料理の店に入る。焼きそば風の麺を注文した。脂っこかったが味がいい感じに濃く、この暑さで水分だけでなく塩分も失っていた体に心地よかった。
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土産物の並ぶ通りに入ってみた。ゴールデンロックを模した置物や仏画のポスターなどが多く並べられていた。
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店にいる兄ちゃんが親しげにどこから来たんだ、ビルマ語喋れるかとお決まりの質問をしてくる。そして「タミンサーピービーラー?」と訊かれた。直訳するとご飯は食べましたかということなのだ。僕は「確かに食べたけどなんでそんなことを訊くのか」とたずねると兄ちゃん、説明に困った様子。後で調べてわかったことだが、中国語でも吃饭了吗?(ご飯は食べましたか)という挨拶があるのだがそれと全く同じ発想の挨拶。大陸部のアジアは言語文化がお互いにとてもよく似ている。

じりじりと肌も焼け、ゴールデンロック周辺は一通り見て回ったのでまたあのトラックに乗り麓の街キf:id:kasatsukuri:20190308185926j:plainンプンへと戻る。ここで市内に戻るシャトルバス乗り場を探したのだが見つからない。バイタクのおっちゃんに訊くと近くの街チャイトーまで行かないとバスはないという。一瞬騙してバイクに乗せようとしているのかと勘ぐったが確かに周りを見渡す限りシャトルバス乗り場はない。5000チャット(約367円)でバイタクに乗せてくれるということなので騙されていたとしてもまあいいかと思い人生初のバイクタクシーに乗ることに。渡されたヘルメットも臭くなく、おじさんも臭くなく、快適に2ケツしてチャイトーまで30分で到着。

チャイトーにつくとバイタクのおっちゃんがバス乗り場まで案内してくれて難なく乗れた。親切な人が多くかなりスムーズな旅だ。バスは7000チャットほどだった。

バスに乗っているのも現地人ばかりで市内までの4時間ほどを過ごすために食料を持ち込んでいる人が多かった。実際僕も隣のおじさんから食べるかい?とヒマワリの種らしきものを勧められた。お腹は満たされていたので断ったが。

途中のトイレ休憩では寺院に降ろされた。寺院自体は綺麗で大仏も金に光り素晴らしかったが、トイレが裸足でなければ入れないことになっていてメンタルが崩壊。色々なものがこぼれており用を足すには踏まないといけなかった。トイレから出たら飲み水用に持っていたミネラルウォーターで足を入念に洗いウエットティッシュで拭った。
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17時頃に市内のバスステーションに到着。
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ここで異変が起きる。お腹の調子が悪くなりトイレに駆け込んだ。Diarrheaだ。何が当たったのだろうか。昼に食べた脂っこい焼きそばだろうか?ミャンマーの洗礼というやつ。

そしてATMからお金を下ろそうとバスターミナルの中でATMを操作。すると、何チャット下ろすという画面もなしに日本円でおそらく2万ほどがドバドバと出てきた。ここで受け取ってしまったがために返却はできなくなり途方に暮れる。近くにいたスタッフに助けを求めたが案の定対応してもらえず。帰国のときに再両替すればいいかと思いそのまま札をしまった。これからATMがバグったときは出て来たお金に触らないようにしようと誓った。

夜はインヤー湖にあるビルマ料理食堂で。メニューを見て決められなかったので人気のある(ルーチャイッミョーデー)はどれ?と従業員に尋ねミャンマーかき揚げを注文した。酸っぱいソースにつけて食べるのが癖になる。
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インヤー湖の中に。f:id:kasatsukuri:20190308190404j:plain


食べ終わった後も腹痛に苦しめられタクシーで宿まで帰りトイレで過ごす夜となった。明日はヤンゴン最終日。これが旅の前半でなくて本当によかった。

(続く)